社会主義国家キューバの魅力
2016年、約88年ぶりにアメリカ大統領が訪問し、54年ぶりにアメリカとの国交が回復したキューバ。
なんとなく、誠に勝手ながら、アメリカの血が入っていないキューバに魅力を感じていた僕は、これから変化していくであろう社会主義国家に寂しさを感じているのです。
僕がキューバを訪れたのは2014年の秋。
アメリカとの国交もなく、社会主義国家の現状を目の当たりにした時の衝撃は今も忘れられない。その一例は以下。
- アメリカ製品は一切存在しない。(マクドナルドやコカ・コーラも当然ない)
- 旅行者が使用する通貨と現地民が使用する通貨が異なる
- 町中の至る所に、生活必需品の配給所がある(食料・薬・日用雑貨など)
- Wi-Fiが存在しない(旅行者が利用する高級ホテルやレストランですら備わっていない)
- クレジットカードがほとんど使えない(使えたとしても高額な手数料を取られる)
→航空チケット窓口で、多くの旅行者が札束を数えて支払いをしていた光景は異様だった - キューバ人は海外旅行に行けない
→最近になって約50年ぶりに国民の海外旅行を解禁したキューバ政府。しかしながら、平均月収が2,000円に満たないキューバ人にとっては厳しい現状に変わりはない。 - 人気のある職業はタクシー運転手
→医者であろうがカフェ店員であろうが、社会主義国家では全員が公務員。給料に差異がないのです。その点、タクシー運転手は旅行者からチップを貰える可能性があるので最も儲かる職業とのこと。 - 古いクラシックカーが走っている
→アメリカと国交を結んでいた54年以上前に輸入したクラシックカーが、修理を繰り返しながら今も大切に利用されている。 - 「カサ」と呼ばれる一般市民の家に泊まることができる
→月収の少ないキューバ人にとって、旅行者に部屋を提供することで大幅に収入を増やすことができる。1泊1,500円~3,000円程度で朝食と夕食付の所も多い。
などなど、一例と言いながら衝撃ポイントをあげだすとキリがありません。
そんなキューバだが、社会主義国家の中で唯一成功を治めている国とも言われている。因みにキューバ以外の社会主義国家で思い浮かぶのは、ソ連や北朝鮮など。
ソ連はロシアとなり、社会主義の側面を残しつつも資本主義の色が強くはなってきている。北朝鮮は今もどっぷり社会主義ですが国内情勢は言うまでもなく・・・
では何故キューバは社会主義で成功していると言えるのか。
その答えはシンプルで、
- 「国民全員が平等。格差がない為、嫉妬や欲が生まれることも少ない。」
- 「国民全員が裕福では無いが、生活には全く困らない。」
医療費&教育費はゼロ。
教育費は大学まで無料で国家の援助も手厚く、意欲がある者にはその道が開ける。
石油や鉄といった資源に恵まれ、観光資源も豊富である。
このことから国民に愛国心があり、幸福度が高いということか言えそうです。
因みに発展途上国にありがちな観光客にモノを売るために取り囲む、しつこい勧誘なども無い。女性が夜に一人で歩いても安全です。
アメリカとの国交が回復し、他国の情報が沢山入ってくると国民にも変化が生まれる可能性はあるが、馬車と古いクラシックカーが走り、ボロボロの建物が多いながらも安全で活気のあるキューバを、個人的には今後も保っていてほしいです。
▼▼ このコバナシを書いた人 ▼▼Ueda